山田詠美の作品書評

松本愛

 山田詠美の作品、「ベッドタイムアイズ」を読んで気付いたのは、私が読んできた日本語の本の中で、かなり性的表現が多い本だと思いました。私が本屋でそういう本を普通に買って、家に帰って読む本ではないです。しかし、授業中にこんな小説を読む機会があり、私の小説に対する認識範囲が一段と広がった気がします。世間では謙虚だと言われている日本人の中でも、黒人に対する差別が思った以上に問題なのを明らかに認識しました。そして、愛に人類は関係ないことを学びました。
 「ボディーカクテル」は、放課後の女子高生に関するキャンパスライフの話でした。これもまた、 平凡で極普通な日本の女性たちから独立する主人公のカナが登場しました。彼女は別に可愛くも、人気もないような子です。その上、他の17歳の女子たちとの比較的な違いは、やはり 不純異性交遊経験と、遥かに大人っぽい考え方です。
カナはクラスの男子たちと簡単にもて遊ぶような子ではありませんでした。むしろ、一所懸命になって「甘い音楽の流れるようなベッドの時間 ...シーツのしわが、そのまま五線紙になって、それを柔らかく蹴飛ばす足先が、優しい調べを奏でるような時間」を求めています。そんな彼女に惹かれたナレーターと同じく、私までカナの恋に関する独特な考え方、渋さとフェミニズムに感嘆してしまいました。
 一方、カナの気に入らない所もありました。まだ17歳という、未熟な年齢なのに日常的に男性と寝ていることは、ただのふしだらな女という証拠ではないでしょうか?それであれば、チャラチャラとしたクラスの子たちと変わらないと思います。私とカナの価値観の違いでもあるかも知れませんが、大人の女性でも、そんな簡単に自分の体を男性に使わせても良くないと思います。なぜならば、男性がどのくらい好きなのか、一緒に寝させる前に待たす時間で試させることができるからです。
 彼女は不純性交遊が興味であろうとも、クールにこう言いました。「他人同士があやういもので結ばれてるのって、すごく繊細なことだと思うの。そうね、お酒のカクテルみたいなものかもしれないって近頃、思う。一種類のお酒だけじゃ、強くて飲めないけど、色々甘いのやら、苦いのやらを混ぜると、おいしいカクテルになるでしょ。」これを読んで思ったのは、人間同士をボディーカクテルに比べるカナが、自分と男との愛し合う時が実に美しく表現されて、感動されました。尚、カナのおいしいカクテル(赤ちゃん)をナレーターの同一性と、両親との甘渋な関係に気付かせました。こんな力を持つカナにはある程度尊重できたと思います。