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Japanese Pedagogy
Akemi Morioka

作文指導のフィロソフィー

作文指導とは?

1. 作文を指導するというのは、漢字が書けるとか、文法的にあっているとか、そういう形式的なこと以上のことである。漢字や文法は、作文を書く時に必要な技術であって、もちろんそれも必要であるが、それらは日々の宿題の書き練習で養われているはずである。だから、作文を書かせる時には、それ以上の能力を要求しているのである。そうでなければ、作文を書かせる必要はなく、ドリルだけしていればいい。

2. 作文指導は、早い時期から始めなければならない。つまり、1Aの最初の作文から始めることが必要だ。

3. UCI では、4技能を等しく伸ばしていく教育を目標としているので、コミュニカティブアプローチだからといって、書く力をおろそかにしていいということはない。又、コミュニケートできるようになってから、書く力をつければいいというものでもない。書くことによって、時間をかけて自分の考えをまとめたりするわけだから、他の技能の伸びにも役立っているはずであり、そのため、他の技能と同時に伸ばしていくべきものである。

具体的な指導の仕方

1. 採点基準をはっきりさせる。Content, Organization/Development, Vocabulary, Grammar を見るということ。つまり、形式だけきちっとしたものをもとめているのではなく、内容、構成も大切だということを明言する。
  
2. introduction, body, conclusionの構成で書かせる。書く前に全体の構成を考える習慣をつけさせる。クラスでの演習としては、トピックをあたえて、みんなでどんなふうに構成して結論はどんなものが考え得るか話し合ったりする。英語でもよい。

3. 事実の列挙だけでなく、必ず自分の考えも入れさせること。
例えば、一学期目に作文を書かせる時でも、クラスやクラスメートのことを書かせたのだが、「形容詞の表を見てたくさん使ってください」と言ったら、いきいきとした文章が返ってきた。「……と思います」などという表現を知らなくても、いきいきとした文は書けるものである。

4. 習った範囲の文法で自分の考えを表現する訓練をすることは大切であるが、生徒が「これはどういえばいいのか」と聞いてきた時には、習ってない文法でも教える。人は、知りたいときに教えてもらったことは、よく習得するものである。

5. 作文を返した日には、みんなが間違った接続詞などを書き出して必ずフィードバックをする。また、任意に誰かの作文を読んでみんなで検討したり、いい作文を読んで聞かせ、どこがよかったかを話したりする。フィードバックは機会を逃すと効果がなくなるので、他のことを少し削ってでもやってほしい。

6. 先生が直した作文は「今日帰ってから、次の作文を書くとき、中間試験と期末試験の前」の4度読めと言う。

7. 学生は成績のついてしまった作文をなかなか読み直さないものなので、提出する前に誰か日本語の得意な人か先生に見てもらうことを勧める。作文は試験ではないので、自分の好きなだけ時間がかけられるいい機会であり、書くことの楽しさを教えるのがゴールの一つである。