EA 198/398
Japanese Pedagogy
Akemi Morioka

聴解力

何かを聞くときの目的(purpose, objective) *母国語でも同じ
1. 何が話されているのか大意を聞き取る。   =Skimming
2. ある目的を持ってその情報を探しながら聞く。=Scanning(ニュースや何かの案内など)
    例:東京に住んでいる人が北海道に行く前日に、身支度をするために天気予報を聞く。
      
聴解力の到達目標
聴解力とは何か…それは、自分に必要な情報を聞いて理解できる力である。UCIの全体の目標の中で聴解力を考えて、各学年の到達目標を次のように置いている。

1年:日本で自分の日常生活に必要なことを質問した時に、色々な助けを借りながらもその必要な情報が聞いて理解できる。
ACTFLのListeningのProficiency GuidelineではIntermediate-Low を確立する。

2年:日常生活に必要な場面をあまり困難なく、切り抜けられる。担任の教師が話すような
コントロ−ルされた日本語なら、少し抽象的なトピック(例:教育制度、社会問題)についても聞いて大意がわかる。ACTFLのListeningのProficiency GuidelineではIntermediate-Midを確立する。

3年:ネイティブスピ−カ−との日常会話は、困難なくできる。抽象的なトピックについての
会話も聞き返しながらも理解できる。又、わかりやすいテレビドラマなら、視覚に頼りながらも概要が理解できる。ACTFLのListeningのProficiency GuidelineではIntermediate-Highを確立する。

どうすれば聴解力が伸びるかーちょっとしたコツ

1. 授業は初日からなるべく日本語で話す。ただ、アクティビティの指示とか文法の説明など
日本語で行なうと時間がかかりすぎることは、時間がもったいないので、英語でしたほうがいいと思われる。

2. 学生にコミュニケ−ション重視の聞き取り方を教える。つまり、聞いたことの一から十まで
すべてわからなくてもキ−ワ−ドを探して聞けるようにすればよいと教える。ふだん自分の母国語でもこうやって聞いているのだと言って、几帳面すぎる学生を安心させる。

3. 宿題にテ−プを聞いてしなければならない課題を頻繁に出す。これは、教科書の内容を「ベタ読み」してあるだけのテ−プを「家で聞いておきなさい。自分のためですよ」と言うだけでは
なく、聞いたものを理解したかどうか確かめるタスクが付いている宿題を出したほうが、学生も「耳を慣らす」だけではなく、「目的を持って聞く」ことができるし、わかったこととわからないことがはっきりして、聞いた後も成就感があると思われる。

4. 各週、課ごと、中間、期末など各試験にも必ず聴解力を試す問題を出題する。テストは授業を 反映するべきであるので、聞く力に重点を置いた授業なら、テストにもそれが反映されるべきであるし、学生が勉強する励みにもなると思う。クラスで「このクラスはコミュニケーション
重視です」と言いながら、Listening やSpeakingの試験をしないようでは矛盾している。

5. 宿題ばかりでなく、クラスでも時々リスニングアクティビティをして、クラス活動に変化を
つけたり、「情報を求めて聴く」時の聴き方の指導をしたほうがいい。

6. クラスでアクティビティをした後は、やりっぱなしでなく必ず何らかの締めくくりをする。
1つのグル−プやペアだけの「スポットチェック」でもよいから、みんなの前で発表させたり
する。                

リスニングアクティビティ

A. 素材
リスニングアクティビティに使える素材としては、大きく分けて、作ったもの、即ちスクリプトに沿った
ものと、生のものの2つがある。生のものとしては、映画、テレビやラジオの番組やコマ−シャル、CD、
ゲストスピ−カ−の話などがある。作ったものも生のものも形式としては、会話、インタビュ−、モノロ−グ、アナウンス、ドラマ、歌などがある。

B. アクティビティの種類
Excercise Types :Listening
(Jack C. Richards "Methodology in TESOL" Chapter 12からの抜粋)

1. Matching or distinguishing:Choosing a response in written or pictorial form that corresponds with what was heard (e.g., placing pictures in a sequence which matches a story or a set of events; choosing a picture to match a situation, such as listening to a radio advertisement and finding the product form a set of pictures). 例:話を聞いた後、その話の順に与えられた絵を並べかえる。

2. Transferring:Excercises of this type involve receiving information in one form and transferring the information or parts of ot into another form (e.g., listening to a discussion about a house and then sketching the house). 
例:新しい家に引っ越した人と話している会話を聞かせ、その家の間取りを図にかかせる。

3. Transcribing:Listening, and then writing down what was heard. Dictation is the most common example of this activity.  
例:ディクテ−ション(全部でも穴埋め形式でも)

4. Scanning:Excercises in which listeners must extract selected items by scanning the input in order to find a specific piece if information (e.g., listening to a news broadcast and identifying the name of the winning party in an election).   
例:ニュ−スや電話の案内などを聞いて自分の知りたい情報を得る。

5. Extending:Excercises which involve going beyond what is provided, such as reconstructing a dialogue when alternate lines are missing or providing a conclusion to a story.
例:話を途中まで聞かせて、その先の展開や最後を考えさせる。

6. Condensing:Reducing what is heard to an outline of main points, such as is required in notetaking.
例:話のあらすじを書く。要旨をまとめる。講義や講演を聞いて、ノ−トをとる。

7. Answering:Answering questions from the input. Different sorts of questions will focus on different levels of listening (e.g., questions which require recall of details, those which require inferences and deductions, those which require evaluation or reactions).

8. Predicting:Guessing or predicting outcomes, causes, relationships, and so forth, based on information presented in a conversation or narrative. 例:会話などを聞き、その人間関係、出来事の起こった理由などを推測させる。(文化的なことも考慮に入れて)