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Japanese Pedagogy
Akemi Morioka

漢字について

I. 漢字の造字法

1。象形(しょうけい)=天地、人物、動植物などの形を写したもの。
    例:日 月
2。指示(しじ)=抽象的な概念を示すもの
    例:一、二、三、上(一の上に点を加えて)、 下
3。会意(かいい)=象形を組み合わせて新しい概念を表わすもの。
    例:林、東(日が木の向こうに現われる様子)
4。形声(けいせい)=音を表わす部分と意味を表わす部分を組み合わせたもの。
  (漢字全体の90%)
    例:胴、銅、洞、桐の4つでは、「同」が音を示し、「月」「金」「水」「木」
    へんが意味を示す。
5。転注(てんちゅう)=漢字の本来の意味を他の意味に転用するもの。
    例:「善悪」の「悪」が「にくむ」という意味で「嫌悪」に使われるような
      場合。音も変わる。
6。仮借(かしゃ)=もとにそれを表わす字がないので、他の字の音を借りて表わしたもの。
    例:独逸(ドイツ)、巴里(パリ)

II. 日本語の漢字の読み

中国の漢字の音はたいてい一字に一種であるが、日本で使われる字音は一字で 二種類以上ある
場合が多い。日本では、時代、地方によって異なった中国の音を次々に取り入れたからである。

1。呉音(ごおん)(Wu)=中国の南北朝時代までに呉の地方で 使われていたもの。
   仏教関係の漢語に多い。「経文(きょうもん)」「人間」「平等」
   日常語では「正月」「今日」
2。漢音(かんおん)(Han)=中国の北方系の音。
   儒教の経典や詩文に多い。「父母」がブモからフボに、
  「女性」がニョショからジョセイにと、後に呉音から漢音へと変わったものも
  多い。 
3。唐音(とうおん)(Tang)/宋音(そうおん)(Song)=日本の平安時代の末から新たに伝えられた宋代以降の音をいう。中世、禅僧によってもたらされた品物の名前に多い。
 「暖廉(のれん)」「堤灯(ちょうちん)」 等。
以上のように各時代に色々な字音が入ってきたので、「行」の一字も「修行(しゅぎょう)」(呉音)、「行動(こうどう)」(漢音)、「行脚(あんぎゃ)」(唐音)のように三つの読みを持つのである。