◆ 村上春樹の小説の主人公の生きる姿勢

・あらゆるものから距離を置く。
・喪失したものに執着しない。
・不可解な出来事も受け入れる/受け流す。
・あらゆるものは、「対称/二項対立 binary opposition」ではなくて、「差異 difference」
・すべてのものの関係は、確立されたものではなくて、恣意的 arbitrary.

◆「蛍」の中の「僕」の思想と生きる姿勢

・あらゆるものごとを深刻に考えすぎないようにしている。(蛍p. 29)
・他人に何を押しつけたりはしたくない。(蛍p. 40)
・世界はあまりにも不確実。(蛍p. 40)
・死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。(蛍p. 29)
=死は生活のどこにでも存在している。
=死者も生きている人間の中に生きている。

◆ 村上春樹を読むキーワード

・失われた時間(蛍p. 46; ノルウェイの森p. 8)
・闇(蛍p. 33, p. 44, p. 46)
・暗黒(ノルウェイの森p. 13)
・壁(蛍p. 33)
・別の世界の入り口 (ノルウェイの森p. 9)
・井戸(ノルウェイの森pp. 12-15)
・理解する/わかる(蛍p. 33, p. 39; ノルウェイの森p. 12, p. 19, p. 22)
・正しい(蛍p. 38, p. 40; ノルウェイの森p. 17 )
・記憶(蛍p. 44; ノルウェイの森p. 10, p. 21, p. 23 )
・覚えている→忘れる/思い出せない(蛍p. 20, pp. 44-45; ノルウェイの森pp. 20-22)
・混乱している (ノルウェイの森p. 7, p. 19)
・不完全 (ノルウェイの森p. 22)

◆ 村上春樹のインタビューから(村上春樹イエローページ1,加藤典洋著p, 93)

「僕の中には<今存在するもの>と<かつて存在し、今は存在しないもの>という二つの世界に物事を分けて考える傾向があるんです。これは、ちょうどパラレルワールドみたいなものです。それは、つまりこの現実の状況というのは、僕にとっては仮りのものなんです。だから僕の場合、失われたものに対する憧憬は、決して懐古的なものじゃないんです。不在の存在感、存在の不在感という感覚が一番近いのかな。」(1985)