枕草子 第一段

(橋本治, 1985, 河出書房出版)   

春って曙よ!
だんだん白くなってく山の上の空が少し明るくなって、紫っぽい雲が細くたなびいてんの!

夏は夜よね。
月の頃はモチロン!
闇夜もねぇ。。。。。。
蛍が一杯飛びかってるの。
あと、ホントに一つか二つなんかが、ぼんやりボーッと光ってくのも素敵。雨なんか降るのも素敵ね。

秋は夕暮れね。
夕日がさして、山の端にすごーく近くなったとこにさ、鳥が寝るとこに帰るんで、三つ四つ、二つ三つなんか、飛び急いでくのさえ、いいのよ。ま●し●て●よね。雁なんかのつながったのがすっごく小さく見えるのは、すっごく素敵! 日が沈みきっちゃって、風の音や虫の声なんか、もう……たまんないわねッ!

冬は早朝(つとめて)よ。雪が降ったのなんか、たまんないわ!
霜がすんごく白いのも。
あと、そうじゃなくても、すっごく寒いんで、火なんか急いでおこして、炭の火持って歩くのも、すっごく“らしい”の。
昼になってさ、あったかくダレてけばさ、火鉢の火だって白い灰ばっかりになって、ダサイのッ!